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STEP3.体外受精とは?費用は?確率は?
体外受精とは卵管閉塞やピックアップ障害などの器質的原因や、タイミング法・人工授精にチャレンジしたものの妊娠に至らなかった場合に用いられる方法です。
子宮内から手術によって卵子を取り出し、精子と自然受精されるのがもっともポピュラーな方法です。
採卵方法や移植方法もクリニックによって少しづつ違っており、体外受精と一言で言ってもその方法自体は多岐に渡ると言っても過言ではありません。
体外受精は人工授精に比べて費用もかかることで知られています。
最近では高齢出産の流れとともに体外受精にチャレンジするカップルも多く、体外受精で授かった子供の割合はクラスに1人以上はと言われていて過去最多になっています。
体外受精における先天性以上や奇形などの割合は自然妊娠の場合と変わらないという結果が出ているということから安全性の高い高度生殖医療と言えます。
体外受精の方法を詳しく知りたい!
体外受精と一言で言っても様々なステップがあります。
大まかな流れを確認すると、採卵周期と移植周期に分ける事ができます。
採卵周期 (妊娠の確率を上げるための最初のステップ)
より多くの卵子を十分に熟成させて採卵するため、ホルモン薬(飲み薬・注射)で排卵をコントロールしながら行います。
ホルモン薬の種類や投与方法等によって様々な方法があります。これを総称してホルモン補充周期といいます。
月経3日目から毎日クロミッドという排卵誘発剤を内服。卵胞を育てるとともに排卵を遅らせる作用があります。
卵胞が適切な大きさまで育ってくれた時点でhCG注射か点鼻薬で卵子を熟成させます。
採卵する周期の月経が始まると3日~5日FSHあるいはhMGという排卵誘発剤の注射を7日~12日間毎日受けます。
卵胞に働きかけて卵胞を大きくし複数の卵子を成熟させます。
これをすることによって、通常は1つの卵胞しか成熟しないところを複数の卵胞を採卵することができます。複数の卵子を採卵することができれば、それだけ受精卵になる確率もあがり、最終的には妊娠しやすくなります。
受精卵がたくさん採取できた場合、凍結保存しても受精卵の質に問題がないことから通常複数個取れた場合はすぐに凍結保存します。
生理が始まって3日~5日に一度受診をし、採卵に向けて準備を進めていくのが一般的です。
採卵当日はほとんどのクリニックで局部麻酔または静脈麻酔をし採卵を行うので、痛みを感じることがありません。
一方、男性には精液を採ってもらい採取後元気な精子だけを集めます。
移植周期
採卵後2~6日目に受精卵の状態を観察し、どの胚を戻すかを検討します。写真を渡してくれるクリニックがほとんどですので夫婦で話し合っておきましょう。
移植はほとんど痛みを伴わず5分ほどで終わります。その後は1時間~2時間ベッドで安静に過ごすのが一般的です。
採卵周期と同じ周期に胚移植を行う場合、子宮の環境(排卵誘発剤等の影響で子宮内膜の厚さなどが十分で無い場合など)によっては受精卵を一旦全て凍結保存し、次の生理がくるま子宮を休ませます。
生理が来たら移植周期がスタートします。採血によるホルモン値の検査が行われ数値が良好であれば移植準備がスタートします。
患者さんのホルモン値や子宮環境によっては2周期ほど感覚を開ける事もそれほど珍しい事ではありません。
むしろ高齢出産の方は胚盤胞になった受精卵を凍結保存している方もたくさんいます。
受精卵を一旦凍結下からと言って凍結融解をしても受精卵にはほぼ影響しない事が確認されています。
凍結した方が受精率が高まるという事で、率先して凍結しているクリニックもあります。
高度生殖医療
二段階移植は移植を何度も行なったにも関わらず陽性反応が見られなかった方が用いる手法です。
移植周期に細胞分裂3日目の初期胚を戻し、細胞分裂5日目の胚盤胞をその2日後に戻すことによって着床率が上がるというものです。
1回目の移植は子宮を着床環境に近づけるための要素も強く、2回目の移植が本番という意識で行うことが一般的ですが、当然2つの受精卵が順調な場合は多胎の可能性が高くなります。
高齢出産の方には母子ともに負担も多く、多胎はできれば避けたいところですが妊娠の確率を高めるという観点からは多くのクリニックで実際行われている方法です。
二段階移植で着床率は上がるものの、多胎のリスクも当然高くなることから開発されたのがこのシート法と呼ばれる方法です。
これは1回目に受精卵(初期胚)を戻していた2段階移植とは違い、1回目に受精卵がいた環境の培養液だけを移植する事で多胎のリスクを避けつつも着床率を上げる方法です。
胚盤胞になった時点で、培養液と胚盤胞を別々に凍結保存し移植に備えます。
このシート法は不妊治療を積極的に行なっているクリニックが始めた方法で広く一般的な方法とはまだまだ言えない方法ではありますがなかなか妊娠に至らず悩んでいる方には有効な方法と言えます。
■アシストハッチング
これも着床率を高める方法の1つです。
受精卵は透明体という膜に覆われているのですが、子宮に着床するにはこの透明帯を破って外に出なければいけません。これをハッチング(孵化)といいます。
透明帯が厚かったり、硬かったりすると透明体を破ることができなかったり、透明体から受精卵が出ることができなくなってしまいます。
移植の前に予め透明体を薄くしておく事で着床が早まり妊娠率が上がります。
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体外受精の費用は?
自由診療になるのでクリニックによって金額に差があります。
目安として
採卵技術費用…10万円~
麻酔管理費用…2万円~
培養技術費用…5万円~
移植費用…6万円~
合計 だいたい30万円程というのが目安ですが、これに消費税や日々の投薬代、注射費用などは別途かかります。
体外受精の追加費用としての目安
2段階移植費用…5万円~(培養費用、胚移植費用込み)
SHEET法費用…3万円~
アシストハッチング費用…3万円~
受精卵凍結保存費用…5万円~(1年間の目安)
凍結受精卵解凍費用…5万円~
精液凍結保存費用…3万円(解凍含む1年間の目安)
体外受精をするクリニックを選ぶ際に支払いが負担にならないようにすることもクリニックを選ぶ上での重要な要素になります。
1回の体外受精で授かることに越したことは無いですが現実はなかなかうまく行きません。
そうなった時に費用に関して転院となるとまた新しいクリニックで最初から検査というのも面倒な話になるので支払い方法は要チェックポイントです。
体外受精の実績は?信じれる?
体外受精を何度もチャレンジした私の個人的な意見ですがクリニックにおける体外受精の治療実績は鵜呑みにするべきへは無いと思います。
確かにクリニックを選ぶ際の1つの目安にはなるかもしれませんが、そこに来られた患者さんの年齢や、抱えている問題、解決しきれなかった神の領域など全てを考慮している実績というのは存在しないと思っています。
数字のマジックも若干あるような気さえするのです。
体外受精の成功率が高くても、そこがゴールではありません。だからこそ実績はまぁまぁな感じで敢えて聞き流す程度でいいのではないでしょうか。
体外受精で一番大切なのは1回で成功させようと思わない事。過度に期待をしないこと。成功率はタイミングよりも人工授精よりも高いですがそれでも100%ではありません。でも期待してしまうんですよね。だってお金もそれなりにかけているし、できるだけ少ない回数で成功したいと言う想いもあるでしょうし。
一番大切なのは体の声を聞いてあげながらチャレンジすること。焦りすぎない事だと思います。もしあなたが何度も体外受精をチャレンジしてもいい結果が得られないと悩んでいるのなら、下記のリンクに言っていてください。最初は?ですが、だんだん心に染み渡ってきますよ。悩んでしまう自分も肯定的に受け止められるようになった時に赤ちゃんは来てくれるのかもしれません。