不妊治療のステップアップどうするべき?
「次の治療にステップアップしましょうか」
婦人科の先生にそう言われて、戸惑う人もいるでしょう。だって不妊治療のステップアップというと、なんだか高度な治療に進むようで不安でいっぱいの気持ちになるからです。
一般的に避妊なしの夫婦生活をして2年妊娠しないと不妊と言われています。特に30代の方は卵子の後退が進む場合があるのでなるべく早く婦人科でみてもらったほうが良いかと思います。
不妊治療で行う4つのステップ
先程からステップアップと何回も言っていますが、一体どんな段階を踏んでいくのでしょうか。まとめてみます。
STEP1・「タイミング法」
妊娠しやすい排卵時期にセックスをすることを言います。精子と卵子には寿命があるため、精子と卵子の出会うタイミングがずれると妊娠率が大幅に下がってしまうのです。タイミングをはかってセックスをすることによって2年間で妊娠率を60~70%まで上げることが可能となるのです。
STEP2・「人工授精」
子宮内に元気な精子を直接注入させる方法です。通常タイミング法でなかなか妊娠に至らない場合に、排卵誘発剤などでしっかりと卵子を育てたあとに人工授精を行います。子宮内に直接入れるので、精子と卵子が近くなり受精する可能性が高くなります。精子と卵子が出会うサポートをするだけなのでほぼ自然に近い妊娠です
STEP3・「体外受精」
子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、その受精卵を培養した後、子宮に戻すという方法です。自力で受精することが困難な方に向いています。麻酔をして卵子を取り出す採卵をしたり、ご主人に精子をとってもらったり、受精から胚培養まで工程があるため手間と費用が人工授精に比べて大幅にかかってきます。
STEP4・「顕微授精」
精子と卵子を体外で受精させ子宮に戻すということまでは体外受精とほとんど同じ流れになりますが、体外で精子と卵子を受精させる方法が違います。体外受精は卵子に精子をふりかけて受精するのを待ちますが、顕微授精は顕微鏡で見ながら卵子の中に直接精子を注入しますので、精子が少ない・運動率が悪いなどといった男性不妊の方におすすめです。
ステップアップは精子と卵子を近づけるための手段
誰でも次の段階に行きましょう。と言われると高度な治療に進むと思いがちですが、簡単にいえば「卵子と精子をより近づけるためのサポート」ということになります。
ステップアップをすることによって、妊娠に近づけますが、それによってセックスが義務化になりセックスレスになってしまう夫婦もいるようです。「体外受精や顕微受精じゃないと妊娠は無理」といわれていた人でも、「自然妊娠した」という方もいます。実に妊娠というのは奇跡でもあり神秘でもあるのです。
「愛しあう夫婦が子宝を呼ぶ」と言われているように、指定された排卵日付近だけセックスをするのではなく、日頃から愛しあうことが大切になってくるのです。いつ妊娠しても良いように、日頃から生活習慣を見直し、妊娠しやすい体作りをしておきましょう。